直感に従う
リーダーシップにおいて、決断力は最も重要な要素の一つです。その決断力を高めるために欠かせないのが、直感力です。直感とは、自分の経験や知識、そして脳の奥底に眠っている気づかないような情報を総動員して一瞬で出される答えです。
私のパイロット人生の経験から断言できることですが、直感による決断はほぼ正しいものです。選択肢には常にベストなものが存在せず、同様にワーストな選択肢もあり得ません。自分が感じた選択肢がその時点で最も正しい選択肢となるのです。
しかし、選択肢の中にベストやワーストがないと言っても、一つやってはいけないことがあります。それは、問題解決に迷ってぐずぐずすることです。情報を集め続けたり、無駄に議論を重ねたりすることは最悪の結果を招きます。それは他の人を納得させるための行動であり、自信がないからこそ起こるものです。
情報はいくら集めても過去のものであり、未来の道を見ることはできません。しかしその情報は、あなたの脳に既に蓄積されているのです。
「どうしよう」と迷うことは、脳が「選択肢」が現れた兆候を感知していることを意味します。これまでの経験と知識から、進むべきでない道を感じ取っているからです。脳は新しい道へ進むよう情報を発信しているのに、それを情報収集や数字の裏付けを求めることで先延ばしにすることが、最悪の結果を招く原因となります。
決断すべき「選択肢」が現在の瞬間に現れているのに、それを数日後に選択しても意味がありません。それは過去の現在であり、現在の現在ではありません。現在は新たな「選択肢」が現れているはずなのに、それを見逃してしまっているのです。
リーダーシップにおいては、直感に従って迅速に決断することが重要です。直感はあなたの経験や知識、そして内なる声に基づいています。他の人が納得するかどうかやデータの裏付けにこだわる前に、自分自身の直感を信じ、行動することが未来を切り拓くのです。