チーム全体の感知能力を高める重要性
リーダーシップとは、単なる指示や意思決定だけではありません。特に、現代の高速変化する世界では、チーム全体の感知能力、すなわち状況認識能力を高めることが求められます。
そのためのキーは「アサーション」です。
アサーションとは
アサーションは一般的に、自分の意見や感情を他者に対して適切に伝えるコミュニケーションスキルとして知られています。しかし、特に航空界では、何らかの運航のずれや問題が生じた場合に、チームにいち早くその状況を伝え、注意喚起を与える意味で使われることが多いです。
チームのアサーション能力を高めることの重要性
人間は、思い込みや勘違いをする生き物です。そして、その思い込みや勘違いが、事故やインシデントの原因となることが多々あります。問題は、その思い込みが生じた瞬間、本人にはそれを気づく手段がほとんど存在しないという点にあります。
この時、第二、第三の視点、すなわちチームの中の他のメンバーが、その過ちをいち早く捉え、アサーションを行い、注意喚起をすることが重要となります。しかし、多くの場合、リーダーに対して意見や異議を唱えるのは、リーダーよりも自分が優れていると自覚しているメンバーだけです。
リーダーの役割
ここでリーダーの役割が重要となります。リーダーは、チームの雰囲気や文化を作る者として、メンバー全員がスムーズに声を上げ、自らの意見や感じた違和感を共有することができる環境を作ることが求められます。
つまり、リーダーの役目は、チーム全体の感知能力を高め、いろいろなアンテナを活用できるような雰囲気を持続させることなのです。
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リーダーシップは、自らの判断だけでなく、チーム全体の力を最大限に引き出すことにある。アサーション能力を高めることで、チームは更に強固なものとなり、多角的な視点からの意見や情報を活かすことができるようになるのです。