直感の力: リーダーシップに必要な敏感さ
直感を頼りにすることが、乱暴なやり方だと思うかもしれません。しかし、リーダーシップの世界では、直感こそが真の決断の原動力となるのです。
まず、リーダーとは「決断して進む」存在です。決断力を持たないリーダーには、リーダーとしての価値はありません。そのための手法として、行動して、すぐに振り返り、次に繋げる、このサイクルを常に効果的に回転させることが重要。一度の失敗から学び、柔軟に次の行動へとシフトする能力が求められます。
深く考え抜いた決断には、固執する危険性が潜んでいます。「こんなに情報を集め、考え抜いた結果だ。間違いはない」と自らを説得する傾向がありますが、環境は一瞬で変わります。その変化に即座に反応するためには、明確なゴールと全体のビジョンが必要です。
飛行機の運航を例に取ると、目的地への着陸(ゴール)を迎えるまでの大気の変動や、雲、風の変化をイメージしながら、離陸の準備をすることが重要となります。
このような全体像のイメージが明確であれば、もし何かがオフに感じた場合、脳がすぐにそのズレを伝えてくれます。この伝えられる感覚は、はっきりとしたものではありません。「何となく違う」「なんだか違和感がする」という、微妙な感覚として捉えられます。
私たちは、この微細な感覚を、過多な情報や言葉の中に埋もれさせてしまっているのではないでしょうか。脳は言葉よりも、もっと原始的な感覚を使って我々に情報を伝えようとしています。
「〜しなければならない」や「データにはこう表示されている」という過去の観念や情報に縛られず、本来私たちが持っている直感や感覚に耳を傾けること。その違和感を捉え、それを行動へと変えることが、真のリーダーシップの条件と言えるでしょう。